コスメに潜む要注意物質『光感作性物質』

コスメに潜む要注意物質『光感作性物質』

光感作性物質とは

光感作性物質とは、皮膚に塗布したり摂取したりすると、紫外線を浴びたときに皮膚が炎症を起こしやすくなる物質のことです。通常の紫外線量でも、反応が強く出て、皮膚が赤くなったり、かゆくなったり、水疱ができたりします。光感作反応には、即時型（日光過敏症）と遅延型（光線過敏症）の2種類があり、症状が出るまでの時間が異なります。即時型は紫外線が当たって数時間から数日のうちに症状が出現し、遅延型は紫外線が当たってから数日から数週間後に症状が出現します。

光感作性物質の代表例

光感作性物質の代表例としては、ベルガモットやレモンなどの柑橘類のエッセンシャルオイルが挙げられます。これらのオイルには、フラノクマリンと呼ばれる光感作性物質が含まれていて、日光に当たると肌が赤くなり、炎症を起こす可能性があります。また、香料のクマリンや、防腐剤として使用されるメチルイソチアゾリノン（MI）」も、光感作性を引き起こすことが知られています。

光毒性物質との違い

光感作性物質と光毒性物質はどちらも光が関与する肌トラブルを引き起こしますが、その作用機序は異なります。光感作性物質は、紫外線などの光を吸収することで活性化し、皮膚に炎症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー反応を引き起こします。一方、光毒性物質は、光を吸収することで化学的に変化し、皮膚に刺激や火傷などの直接的なダメージを与えます。光感作性物質による反応は通常、初回の光への曝露後に数時間から数日後に現れますが、光毒性物質による反応は、光への曝露後すぐに発生するのが特徴です。

コスメにおける光感作性物質の注意

光感作性物質とは、紫外線に反応して皮膚に炎症を引き起こす物質のことです。光感作性物質を含む化粧品を使用すると、日焼けや発赤、水ぶくれなどの皮膚トラブルが発生する可能性があります。

そのため、化粧品を選ぶ際には、光感作性物質が含まれていないかどうかを必ず確認することが重要です。特に、日中の使用を想定した化粧品や、日焼け止めと一緒に使用する化粧品には注意が必要です。

光感作性物質による肌トラブルを防ぐには

光感作性物質による肌トラブルを防ぐには、日頃から注意する必要があります。まずは、紫外線が強い時間帯（10時頃～16時頃）の外出を避けるようにしましょう。また、外出時には肌の露出をできるだけ減らし、日焼け止めを塗布することが重要です。日焼け止めは、UVA波とUVB波の両方をカットできるものを選びましょう。さらに、肌が乾燥していると光感作性物質の影響を受けやすくなるため、保湿を心がけましょう。光感作性物質を含む化粧品を使用している場合は、就寝前に十分に洗い流すようにし、使用後は紫外線に当たらないように注意しましょう。